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 医薬大の白木・黒川両先生が、葛根湯の作用機序について、動物を用い、漢方でいう「証」の科学的根拠をウイルス学の立場から、見出されましたのでその概要をご紹介しましょう。
 葛根湯は「実証」の患者が服用する薬です。その作用機序は発汗によって外邪を駆逐すると言われています。落語の枕話に出てくる「葛根湯医者」は、笑い者にされていますが、藪医者ではなく、実は名医なのです。

 白木先生らは、葛根湯は直接ウイルスに作用するのではなく、生体の反応性を変えることで、効力を発揮することを証明されました。
 ウイルスは細菌と違い、感染する臓器が決まっています。麻疹が天然痘を起こすことはなく、おたふくかぜが麻疹を起こすこともありません。
 インフルエンザ・ウイルスは、上気道のクララ細胞から分泌される酵素で、ある糖蛋白が活性化され、感染が可能になります。ですから、クララ細胞の存在する気道粘膜のみで感染・増殖が可能で、場所が気道上皮に限られるため、麻疹のような全身症状は起りません。
 まず、「葛根湯が帯状疱疹に効いた」という江戸時代の文献に従い、単純ヘルペスウイルス (HSV) で起こる皮膚病変に対する効果を調べたところ、常用量で効果のあることがわかりました。また、抗ウイルス薬「アシクロイビル」と比較したら、常用量でアシクロビル(10mg/kg x 3/日)に匹敵する効果のあることが分かりました。葛根湯を飲めば、春山スキーで口の周りにできる「雪ぶくれ」も予防可能になりましょう。
 効果のメカニズムは、葛根湯の服用で、HSV感染部位に、強い免疫応答が起こり、HSVの増殖を抑え、皮膚病変を軽症化し、これを回復させているのです。
 葛根湯はウイルスの増殖を直接阻害しませんが、生体の免疫能を高め、皮膚病変を軽症化し、死亡率を低下させ、その効果はアシクロビルに匹敵することが明らかになりました。
 さて、単純ヘルペスウイルスに葛根湯が著効を示すことは分かりましたが、一番多く使われているのは、風邪の治療であり、医療機関だけで年間に、 2000万 も処方されています。そこで、この問題についてウイルス学的な検討がなされました。
 インフルエンザに感染したり、C 型肝炎治療にインターフェロンを投与したりすると、それぞれ「発熱」が起こります。まず発熱に敏感なマウスにインフルエンザを感染させたら、薬剤非投与群はみんな死んでしまうのに、葛根湯投与群は生存もしくは生存期間延長が認められました。死因は肺炎ですので、肺炎の程度を比較したら、非投与群では重く、葛根湯投与群では肺炎が軽症で済むことが分かりました。ところが、肺の中のウイルス量に有意差は認められません。この事は、葛根湯は肺炎を軽症化しますが、メカニズムはウイルスの抗増殖作用ではなく、生体防御反応の活性化によることが予測されました。
 発熱のメカニズムは、インフルエンザに感染すると、まずインターフェロンが誘導され、それがサイトカインの一種インターロイキン-1α (IL-1α) を導出し、それが視床下部に働いて、視床下部でシクロオキシゲネース (COX) が活性化され、プロスタグランジンE2 (PGE2) が産生され、それで発熱が起こるのです。
 一方、肺でも IL-1α が出て肺胞浸潤が起こります。葛根湯は、気道上皮の IL-12 を上昇させ、 TH1系免疫応答を誘導し、細胞性免疫を高めて肺胞浸潤で始まる肺炎を軽症化します。
 インフルエンザに対する葛根湯とアスピリンの違いは、両者とも解熱効果はありますが、葛根湯では感染前・解熱後で IL-1α の値に変化がなく低いのに、アスピリン投与では感染による高い値が解熱後も持続しておりました。インターフェロン投与で発熱を誘導した場合も同様で、アスピリンと葛根湯では IL-1α の動きが異なり、葛根湯は IL-1α を上昇させないことが明らかとなりました。
 次に、IL-1α の上昇が視床下部の COX を誘導し、PGE2 を産生させ、発熱中枢に働くことから、COX 活性を測定したところ、非投与群では高い活性が認められましたが、葛根湯投与群では非感染群と変わらず、アスピリン投与群では胃腸障害が危惧される程これが下がり、葛根湯では正常値を保ったまま解熱していることが確かめられました。
 一方、インフルエンザ感染時に、肺炎予防の目的で使われるクラリスロマイシンも、サイトカインを介してインフルエンザに効くのでは?との考えから実験が行なわれました。そして、葛根湯と同様マウスが死なないことから、クラリスロマイシンは肺炎に効果のあることが分かりました。
 サイトカインへの影響を IL-12、 IL-10、 IL-4、 IL-6 および INF-γ で調べたところ、クラリスロマイシン投与で、感染二日目に IL-12 が有意に上昇し、続いて三日目にインターフェロンγ が上昇し、細胞性 (Th1型) の免疫応答が誘導されて、非常に強い抗ウイルス反応が現れることがわかりました。
 これまでの実験で解明された作用機序は、インフルエンザが感染すると生体はINFを誘導し、続いて IL-α を誘導するのが正常な反応です。葛根湯は この過程の IL-1α 産生を抑えますから生体にとっては悪いのでは?という疑問が生じます。しかし、IL-1α は抑制するが、肺のウイルス量に影響がなく、肺炎も全身状態も改善され、解熱効果もあります。
 葛根湯は IL-1α の産生は抑えるが、悪い影響は一切ない。従って、IL-1α 産生という全身性反応は「インフルエンザにおける過剰反応で、その過剰反応を葛根湯は止めている」と考えるべきなのでしょう。
 ここで「証」の意味を考えて見ましょう。 葛根湯が、なぜ、風邪に使用されるかを解析すると、IL-1α を抑え、過剰反応を抑えることから、過剰に反応する実証のヒトに投与するのが良く、反応性の弱い虚証のヒトでは、反応を抑える薬は不適当なことがわかります。 また、葛根湯は急性期に使うべきで、亜急性期や慢性期に入ったら、消炎するより、炎症を軽く誘発させて早く回復させる方が良いことが分かります。この時点で、患者は葛根湯の証ではなくなります。
 以上の内容から証が理論的に裏づけられたことになり、実証の患者が葛根湯を服用することは、ウイルス学的に見て適切だったと言えます。
 そこで、成分についても検討がなされました。葛根湯は葛根、麻黄、桂皮、芍薬、甘草、生姜、大棗から構成されています。これら生薬を、下熱効果と、IL-1α の産生抑制効果で比較したところ、桂皮に一番活性があり、その中のシンナミル化合物に、とくに強い活性のあることが分かりました。生薬は多成分です。シンナミル化合物だけでも50数種類もあり、葛根湯と同じ挙動を示す化合物が13種類も見つかりました。研究の詳細は略しますが、化合物の中には逆の効果を示すものもあり、個々の作用の総和として、我々は葛根湯を見ていることになります。
 最後に、「葛根湯を小児のインフルエンザに用いてよいか」という疑問が残ります。小児の「証」がどのように確立されているか筆者も知りませんが、一昨年は200人がインフルエンザ脳症になり、その1/3が亡くなっています。昨シーズンは約50人が脳症と診断されました。
 今のところ、インフルエンザの子供に葛根湯を使って良いというエビデンスは残念ながらありません!インフルエンザ脳症・脳炎の病態が不明である現在、小児のインフルエンザに対して葛根湯を使うことは慎重であるべきです。

【転載元】
■ウイルス学から見た葛根湯の効果
http://www2.incl.ne.jp/~horikosi/No156.htm

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