英国向けに豚インフルワクチンを製造しているある企業が、薬物に法外な値段をつけたことで告訴され、示談により何百万ポンドも支払っていた。
 米国の巨大製薬会社バクスタは、過去12ヵ月にわたり、少なくとも7件の巨額（何件かは数百万ドル）な和解に至っている。バクスタは、およそ1300%高い値段を薬物につけたとして詐欺容疑で告訴されていた。
  これは、バクスタのH1N1ワクチンCelvapanがヨーロッパの薬事機関によって承認された後、わかったことであり、パンデミックのコスト増に関する懸念が持ち上がることになるだろう。ワクチンは4年間にわたり15500万ポンドかかると予想されている。

 バクスタはメディケイド（貧困家庭へのセーフティネットを提供する米国保健プログラム）に対する過大請求で告訴された後、長い間訴訟に関わってきた。経営陣は今年、ケンタッキー州政府に200万ドル支払った。


＜ケンタッキ州検事長　Jack Conway＞
「バクスタが法の要求（正直に価格を報告する）に従っていたら、こうしたことは全て簡単に回避できていたでしょう。
 納税者がこの釣りあげられた薬価の勘定を支払っているのです。我々はメディケードプログラムが、この偽装と支払い過多によって失ったものを取り戻すつもりです」


 メディケードは、製薬会社が割引いて提供する価格の計算に公示平均卸値（AWPs)を頼っている。
 しかし幾つかの州は、製薬会社のAWPsが法外に膨らみ過ぎているとして非難した。7つの州がバクスタと和解に達している。
 バクスタは5月アラバマ州と総額8900万ドルの支払いに同意した6つの製薬会社の1つだった。
 2月にはウイスコンシンに110万ドル、3年前にテキサスに850万ドル支払っている。etc.

 英国の政治家たちは、ワクチンのコストが増えるのではないかという懸念を提起したが、保健省と製薬会社はどれくらいのコストが個々のワクチンにかかるのか正確に述べることを拒否した。
 7月に自由民主党の保健広報のNorman Lambはグラクソとの契約が金額に見合う価値かどうか国立監査事務所に問い合わせを行っている。レポートでは概して満足のいく取引であるとの回答だった。
 バクスタのスポークスマンは、米国の州が米国の多数の他の製薬会社と似たような和解を行っており、それはメディケアのシステムで使用される異常な購買システムのために起こったことだと述べた。
「バクスタは決してシステムからだまし取ろうとなどしていませんし、責任をもち、合法的かつ透過的な方法に基づき行動してきました。我々は英国当局とともに密接に働き続けるつもりです」



元記事

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http://www.guardian.co.uk/world/2009/oct/11/swine-flu-vaccine-baxter