輸入ワクチンの安全性・非安全性を理解するための10のポイント
①今回の日本への輸入ワクチンは、二社ともスクワレンを使用したアジュバント入りワクチンである。
②スクワレンを使用したアジュバントを使っているワクチンにはリスクがある。
③今回の日本へ輸入されるワクチンは二社、異なったアジュバントを使っている。グラクソ・スミスクライン社のアジュバントはAS03、ノバルティスファーマ社のアジュバントはMF59である。アジュバントAS03とアジュバ ントMF59 とではリスクが異なる。
④アジュバントに含まれる界面活性剤であるTween 80(アジュバントAS03とアジュバ ントMF59の両方に含まれている。)とSpan85(アジュバ ントMF59にのみ含まれている。)が不妊などの原因との説がある。
⑤スクワレンを使用したアジュバントには、インターロイキン6の増加によるサイトカインのリスクと湾岸戦争症候群のリスクがあるといわれている。
⑥今回、日本に輸入される二社のワクチン製造過程におけるウイルス培養方法は、同じではなく、二社、異なっている。グラクソ・スミスクライン社は、発育鶏卵培養法(embryonated egg culture)によっており、ノバルティスファーマ社は、組織培養法(cell culture)によっている。
⑦後者の動物由来のMDCK組織を使っての組織培養ワクチン(cell culture vaccine 、ノバルティスファーマ社のワクチンのみ。)は、その誘導体であるMDCK-T1に腫瘍原性リスクがあるとの説がある。
⑧今回日本が輸入のグラクソのワクチン「パンデムリクス」(Pandemrix)は、モックアップ(mock-up)ワクチン(対象とするウイルス株が特定されていない段階で、モデルウイルスを用いて作製されたワクチン、製造承認はこの段階で得ている)であり、鳥インフルエンザ・ウイルスH5N1対応ワクチンとして開発されたワクチンのモデルウイルスを、A/Vietnam/1194/2004(H5N1)からA/California/7/2009 (H1N1)に入れ替えて、製造しているものである。
ノバルティスのワクチン「フォセトリア」(Focetria)はモックアップ(mock-up)ワクチンであるが、「セルトュラ」(Celtura)は、モックアップ(mock-up)ワクチンではない。
⑨アメリカは、今回、新型インフルエンザワクチンの選定に当たって、アジュバントなしのワクチンであり、MDCK組織を使っての組織培養の製法によらないワクチンを選んだ。
⑩これに対し、日本では、輸入・国産両ワクチン交えて、アジュバントありのワクチン(輸入)とアジュバントなしのワクチン(国産)とがあり、しかも、アジュバントありのワクチン(輸入)では、異なったアジュバント(AS03とMF59)を使ったワクチンや異なったウイルス培養法(発育鶏卵培養法と組織培養法)でのアジュバントありのワクチンがあり、輸入ワクチンのうちの一つ(グラクソのワクチン)は、モデル・ウイルスを、鳥インフルエンザ・ウイルス(H5N1)から新型インフルエンザ・ウイルス(H1N1)へシフトさせたモックアップ・ワクチンであり、これらが混在して、モックアップ・ワクチン段階での治験も含めての、わずかな治験の元に接種されようとしている。
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