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90代女性

・確認中(接種ワクチンメーカー/ロット番号)

1.報告内容
(1) 事例
90歳代の女性。心房細動による慢性心不全を基礎疾患とする患者。
12 月4 日、新型インフルエンザワクチンを接種。接種翌日より、周期的に呼吸促迫あり。バイタルサインのチェックでは異常なし。12 月7 日、急に呼吸状態が急速に悪化し、低酸素血症進行、無尿となった。BUN 137、クレアチニン2.18。輸液、利尿薬にて加療するも変化無く、12 月8 日午前9 時25 分、死亡された。

(2) 接種されたワクチンについて
調査中

(3) 接種時までの治療等の状況
慢性心不全は、平成15 年より心房細動の心不全で入院歴あり。その後、在宅療養は難しいと判断され、医療機関にて入院加療中。心不全は利尿剤とジギタリスでコントロールされ、状態良好。平成17 年、嚥下性肺炎を起こし、その後胃瘻52の増設を施行。簡単なコミュニケーションは可能であった。

2.ワクチン接種との因果関係
報告医は、ワクチン接種から数日経過しているので、因果関係は不明であるが、ワクチンの関与を完全に否定することもできないため、因果関係を評価不能としている。

3.専門家の意見
○上田先生:
死亡の原因としては急性腎不全と考えられる。急性腎不全の種類としては腎前性腎不全である(クレアチニン/BUN=137/2.18=62>20)。脱水、循環機能低下が腎前性腎不全の原因と推測される。高齢、なんらかの肺疾患(インフルエンザ予防接種により反応性の肺水腫などが考えうる)、および慢性心不全が循環機能不全を出現させ、急性腎不全が発症したものと考えるのが適切と判断します。結論 新型インフルエンザワクチン接種が急性腎不全の発症に関与した可能性は否定できないが、死亡との関連については因果関係不明と判断します。
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