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新聞・テレビが報じない新型インフル 「本当は恐ろしい話」=油井香代子(SAPIO 2009年10月14・21日号掲載) 2009年10月29日(木)配信
|現役医師が警告する「解熱剤とタミフル
文=油井香代子(医療ジャーナリスト)
白い防護服に身を包んだ検疫官らが成田空港内を走り回っていた5月の光景がはるか昔のようだ。水際検疫をかいくぐって上陸した新型インフルエンザはこの秋、大流行の兆しを見せている。厚労省の〝大本営発表〟も、新聞・テレビ報道も教えてくれない新型インフルエンザの真実をレポートする。
|現役医師が警告する「解熱剤とタミフル
|服用で健康な患者も死ぬ」という疑惑
新型インフルエンザの勢いが止まらない。最近1か月の患者数は全国で推定60万人超、死者はすでに19人(9月23日現在)。多くは肺や心臓、腎臓などに疾患があるハイリスク患者だが、基礎疾患のない人が死亡したり重症化するケースも報告されている。
8月29日には兵庫県の30代女性が死亡した。持病にてんかんがあるものの、基礎疾患はない。女性は8月27日、39℃の高熱と咳が出て、翌日、近くの医療機関を受診。新型インフルと診断されて自宅療養していたが、タミフルを服用したその夜に容体が急変した。病院に運ばれたが、明け方に死亡した。
また、9月9日に死亡した大阪府の45歳の男性も基礎疾患がなかった。発熱で7日に医療機関を受診しタミフルを服用、自宅療養し、いったんは平熱に下がったが、9日、意識不明で倒れ病院に搬送されて死亡した。
死亡しないまでも重症化した例もある。基礎疾患のない沖縄県の50代女性は高熱で入院、タミフルで治療したが、重症化し人工呼吸器を装着した。
厚労省などの治療指針では、重症化や死亡を防ぐために、治療にはタミフルやリレンザといった抗ウイルス薬を使うことになっている。ところが、この3人だけでなく、死亡者の半数以上、重症者のほとんどがタミフルやリレンザを処方されているのだ。
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