福岡県80代女性　

・阪大微生物病研究会/HP02D（接種ワクチンメーカー/ロット番号）

1.報告内容
(1)  経緯
平成21年11月19日午前11時20分頃、新型インフルエンザワクチン接種後の副反応報告書において、死亡事例の報告があった。

(2)  事例
80歳代の女性。慢性関節リウマチを基礎疾患とし、1年半程度前に脳出血の既往のある患者。11月16日午後3時頃新型インフルエンザワクチンを接種。その後特に異常所見を認めず。17日午後10時半頃には入所施設職員と会話し、この際も特に異常は見られなかったが、18日午前0時30分、心停止、呼吸停止状態で発見され、死亡が確認された。

(3) 接種されたワクチンについて
微研会 HP02D

(4) 接種時までの治療等の状況
1年半前に脳出血を起こし、以降、グループホームに入所。従来から慢性関節リウマチを治療中であり、プレドニゾロン及びミゾリビン(※)内服を継続している。10月21日に季節性インフルエンザワクチン接種。
※ プレドニゾロン及びミゾリビン:免疫を抑制する作用を持ち、慢性関節リウマチの治療に使用される薬
 
2.ワクチン接種との因果関係
報告医は、死因は急性心筋梗塞あるいは重症の不整脈によりものとしており、患者の長
期間にわたる慢性関節リウマチ及びその治療等の影響が高く、ワクチン接種との関連は低いと考えられるが、全く否定もできないため、因果関係を評価不能として報告したとしている。
 
3.今後の対応
基礎疾患を有する人に対する接種が始まっているところであり、基礎疾患による病状や死亡も含めて報告されることがある。専門家により、本死亡事例についての接種との因果関係評価を速やかに行い、情報提供していきたい。


厚生労働省：新型インフルエンザに関する報道発表資料