マウスで免疫強化実証　製品化へ

　Ａ型インフルエンザ（Ｈ１Ｎ１型）ウイルスの体内での増殖抑制と感染予防に、ネギの成分が有効であることが、富山大大学院医学薬学研究部の林利光教授と、健康食品などを製造販売する佐々木食品工業（大分県豊後高田市）の共同研究で分かった。（渡辺ゆり）

　実験は昨年秋から始められた。葉ネギから煮出した成分をマウスに一週間与え、インフルエンザウイルスを投与。その後さらに一週間、ネギの成分を与えた。

　ウイルスが体内で増殖するピークと言われるウイルス投与から三日後に、気管支と肺でウイルス量を測定。ネギを与えたマウスのウイルス量は、ネギを与えなかったマウスの三分の一程度だった。

　また、ウイルス投与から三週間後に体内の抗体を調べたところ、ネギを与えたマウスの方が、鼻の粘膜や血液中の抗体の量が、ネギを与えなかったマウスより約三倍多く、免疫力が高まっていることが分かった。

　同社は「ネギが風邪に効くを言われていたことを、科学的に立証した。今後は効果を発揮しているネギの成分を特定し、人に対しても役立てたい」と製品化を目指している。

　実験の結果は、三十日から沖縄県で開かれる二〇〇九年度日本栄養・食糧学会の九州・沖縄支部大会で発表する。

　大分県は西日本で有数のネギの産地であることから、同社がネギを使った健康食品ができないかと考え、林教授に相談して共同で研究した。

http://www.chunichi.co.jp/article/toyama/20091029/CK2009102902000181.html