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 インフルエンザ治療薬「タミフル」と異常行動の関連について疫学調査を進めている厚生労働省研究班(主任研究者、横田俊平・横浜市立大教授)の今年度の研究費に、タミフル輸入販売元の中外製薬(東京)の寄付金627万円が使われていたことが30日、厚労省の調べで分かった。同省安全対策課は、研究班が寄付を募る動きを昨年夏に把握しながら、事実上放置していた。
 厚労省は研究の信頼性維持のため、寄付金が使われた分を補填(ほてん)するとともに、平成19年度の研究費もすべて科学研究費補助金でまかなう。また、中外製薬の寄付金を受けていた研究者3人を19年度研究班から外す。17年度の疫学調査結果についても、別の専門家に統計解析の検証を依頼する。

 厚労省の調査によると、研究班メンバーに対する中外製薬の18年度の寄付額は、横田教授150万円▽森島恒雄・岡山大教授200万円▽藤田利治・統計数理研究所教授6000万円。藤田教授への寄付金の一部が、疫学調査の調査票の印刷や発送に充てられた。

 横田教授は13~16年度にも計850万円、森島教授は15、16年度に計400万円の奨学寄付金を受けていた。

 厚労省安全対策課は昨年8月、横田、藤田両教授から、18年度の研究費が科研費400万円だけでは不足するため、企業から寄付を募る計画を知らされていた。だが、9月の人事異動で課長と担当の課長補佐が異動。後任者も企業から寄付を募る相談を受けたが、問題意識に欠け、止めなかったという。

 中外製薬によると、昨年12月、中外製薬の親会社ロシュ社の担当者に厚労省安全対策課から「研究費用を含め協力をお願いしたい」との発言があったという。

 厚労省医薬食品局は「寄付金の受け入れを思いとどまるよう指導、助言を怠ったことは問題だ。反省する」としている。横田、藤田両教授は「社会に誤解を与えた責任は痛感している。しかし研究費が枯渇し、厚労省と相談しながら正当な手続きで寄付金を使った。研究内容の公正さは保たれている。できれば続けたい」と説明。

 中外製薬の藤田晴隆専務は「利益誘導の意図はなく、疫学調査を寄付金で支援することで(副作用など)事実を早く知りたかった。厚労省と先生方と相談しながら配慮したつもり」と話した。

http://www.asyura2.com/0601/health12/msg/694.html
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