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The Informed Prescriber(2005.2.28発行)に「オセルタミビル(タミフル)はインフルエンザ予防に無効」という総説が掲載されておりました。書かれたのは医薬ビジランス研究所の浜六郎氏です。

 概要を紹介しますと、厚生労働省はタミフルの予防的使用の適応を2004年7月に承認しました。添付文書には「予防に用いる場合には、原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である下記の者を対象とする、1)高齢者(65歳以上)、2)慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者、3)代謝性疾患患者(糖尿病等)、4)腎機能障害患者」とあり、厳しい縛りがかけられています。筆者も一応高齢者、今シーズン2度もインフルエンザかどうかわからない風邪をひいているので、関心がありました。

 予防薬が有効であることの根拠となっている臨床試験は、日本人参百余人を対象とし、六週間にわたってタミフルとプラシーボをそれぞれ服用する二重盲験試験で、153人のタミフル服用群でウイルス感染が証明されたインフルエンザ患者数は5人、一方155人のプラシーボ服用群では21人が確認され、この値から予防的服用が有意・有効であるとしております。浜氏はその報告を詳細に解析し、タミフルを服用しウイルス感染が検査で証明されなかったインフルエンザ羅患数は29人、プラシーボ服用群では15人で、両者をあわせた場合の比較では36人対34人となり、インフルエンザの羅患率に有意差がないと判断されました。

 興味があるのは、ウイルス感染が検査で証明されなかったインフルエンザ(様)患者の定義です。ここでいう「インフルエンザ」とはインフルエンザ様の症状を示した疾患のことで、1)37.5度以上の発熱、2)呼吸器症状(咳、咽頭痛、鼻症状)、3)全身症状(関節痛や筋肉痛などの痛み、脱力感、頭痛など)の症状のうち少なくとも1つの症状を認めたものと規定されています。この数字、36人と34人はほぼ同数ですので「予防薬を飲んでいればインフルエンザに罹らないのではなくて、症状があってもインフルエンザが検出できなくなっと考えるのが妥当です。

 これに対する発売元の見解は、「インフルエンザ感染の割合が同程度とすると、タミフル投与群ではこの薬の予防効果によりプラセボ投与群より少なくなり、これらの予防効果の認められた症例は非感染例となり、結果としてインフルエンザ様疾患として評価される。すなわち、もともと背景としてインフルエンザ様症状を有する一定の被験者のうち、本剤の予防効果によりウイルス感染例が少なくなった分、インフルエンザ様疾患の発生率がプラセボ投与群に多くなったことが考えられる」とあります(タミフルカプセル75(予防)の資料(薬承認情報集)。浜氏はこの表現は「タミフルを使ってもインフルエンザにはかかるが、ウイルスが見つからなくなるだけ」ということを実質的に認めていると述べています。

 浜氏のこの見解に対し、「インフルエンザシーズン中といえども、インフルエンザウイルス以外が原因となってインフルエンザ様症状を呈することがあり、本試験においてもインフルエンザウイルス以外の原因でインフルエンザ様症状を呈した患者の存在は否定できず、このことからタミフルを使っても『インフルエンザにはかかるが、ウイルスが見つからなくなるだけ』とは結論できない」としております。つまり、インフルエンザ様疾患に有意差が無かったのは、感冒などのインフルエンザ以外の違いによるとの主張です。

 しかしインフルエンザ以外の感冒ならタミフル群もプラシーボ群も均等に羅患するはずです。ところが実際には、その羅患率はタミフル群の方が多いことがあきらかになりました。つまり発売元の言い分が正しいなら、「タミフルを予防的に内服するとインフルエンザ以外の感冒に羅患しやすくなる」ことを意味することになってしまいます。いずれにしても、タミフルは検査上検出できるインフルエンザ感染の証拠を得られなくはしますが、臨床的に意味のあるインフルエンザ感染の防止はしていないと考えざるをえません。
 また、適応症となった慢性の諸疾患のあるハイリスクの患者に対する予防効果と安全性に関する臨床試験は実施しておらず、証拠も無いそうです。承認審査に当たった医薬品医療機器総合機構もこれを認めており、2004年5月13日付けの審査報告(2)では「(2)高齢者などのハイリスク集団:予防効果ならびに安全性が検証されているとは言い難いが、これらの集団に対し、特に安全性が危惧されるというデータも得られていないことから、(中略)これらの集団を投与対象として差し支えないと考えた。」とあります。これに対し浜氏は「なんという論理の飛躍であろうか」と決め付けています。

 更に、予防ではなく、ハイリスクの人たちを対象とした治療効果についても証拠がないそうです。欧米で実施された試験では、主なエンドポイントである「インフルエンザ羅病期間」は短縮されず、ウイルスが分離・検出されなくなる期間のみが短縮されるだけで、症状が早く消退するわけではない点は、日本での予防のための臨床試験結果と共通しているそうです。
 最後に浜氏が指摘しているものにタミフルはA香港型(H3N2)に無効(燐酸オセルタミビル・タミフルカプセル薬承認情報集)。また慢性喘息の小児にも無効で、症状が早く治まる子と遅い子とがあり、全体として効果有りとは言えなかったとしています(医薬品医療機器総合機構、審査結果通知書『タミフルカプセル75(予防)』)。またタミフルは糖尿病を増悪させる可能性のあることも指摘しています(The Informed Prescriber, 18(11):129-133, 2003)。

 ならば安全な予防法や如何?・・・・・やはり水分とバランスのとれた栄養と睡眠を充分に取り、感染予防の目的でマスクをかけ、人ごみへの外出は極力避け、適度な運動をし、それでも感染したと思ったら出来るだけ早めに葛根湯を煎じて飲み、暖かくして一汗かくことでしょう。ウイルスは熱と湿気に弱いことは今も昔もかわりません。

 追補 1 :(2005.11.19) テレビ及び新聞の報道によりますと、FDA(アメリカ食品薬品局)は17日、タミフルが日本で承認された2000年以降、同薬を服用した日本人の14歳以下の子供12人が死亡していたとする報告書を公表しました。また新聞でも「タミフル服用後に死亡例」「因果関係不明・詳細な調査を」「日本の使用量は世界一」とありました。
 タミフルは新型インフルエンザの重要な対応策として日本をはじめ各国が備蓄を進めており、死亡例と服用とを結びつけて、タミフルを敵視するような事態は避けたいというのが行政および医療側の姿勢です。
 筆者は、かってアスピリンを服用した子どもがライ症候群を発症した時の、収束までの経緯を思い出します。最終的な結論を出すのには少々時間が必要でしょうが、使用量が世界一多く、診断キッドが一番普及しており、情報が的確に公開されている我が国で初めて、その実態が見えてきたといえましょう。
 インフルエンザに感染した場合、免疫能の落ちている老人や子どもが、二次感染で肺炎を併発し死に至るのは理解できますが、新聞が記載しているように「元々、インフルエンザは、突然死や異常行動、興奮、幻覚などの症状が報告されており、副作用との区別が難しい。」とあるのはインフルエンザに解熱剤を服用させた事例と混同しているように思えてなりません。

 追補 2 : タミフル服用後に2人死亡 50代と80代、他に3剤併用 厚労省安全懸念なし」【2005年12月16日】  厚生労働省は15日、インフルエンザ治療薬タミフルを服用した50代と80代の男性が、それぞれ重い皮膚疾患と腎不全で死亡していたと発表しました。2人は他に抗生物質や高血圧治療薬など3剤を併用、これらの薬でも同様の症状は起き、厚労省は「タミフル服用と死亡との因果関係は否定できないが、現段階でタミフルの安全性に重大な懸念があるとは考えていない」としています。 同省が17歳以上のタミフル服用後の死亡例を調べ直したところ、輸入販売元の中外製薬から2001年2月の発売以降で26例報告されていました。うち24例は「専門家によるとタミフルとの因果関係は否定的」(同省)と言われています。 残る2例は05年と04年に報告され、50代男性は、タミフル服用2日目に発疹(ほっしん)が出て入院し、その10日後に発熱や多臓器障害などを起こす中毒性表皮壊死(えし)症で死亡。他に抗生物質と風邪薬、漢方薬をのんでいたそうです。80代男性は服用5日目に全身倦怠(けんたい)感で入院、その3週間後に腎不全で死亡しました。高血圧治療薬2種類と胃薬も服用中だったそうです。 同省によると、同壊死症は多くの医薬品成分で発生の疑いが報告され、腎不全はほとんどの薬剤で起きる恐れがあるとしております。タミフルでは、服用によりごくまれに現れるとして、同壊死症は02年10月に、腎不全は03年7月に添付文書に記載し注意喚起しています。 

 追補 3 :  (2006年1月16日) 米疾病対策センター(CDC)は14日、現在米国で流行中のインフルエンザ(H3N2型)に対し、2種の治療薬「アマンタジン」「リマンタジン」がほとんど無効と分かったとして、医師らに処方しないよう呼び掛けました。  CDCによりますと、検査したウイルスの91%が2つの薬に耐性を示しておりました。両薬への耐性ウイルスの割合は前年の11%から急増したそうです。日本で広く使われている「タミフル」や、「リレンザ」は有効だそうです。 アマンタジンは比較的安価なことから発展途上国などで多く使われており、日本でも承認されています。

 追補 4 : 「因果関係明らかでない」 中2転落死で厚労相(2007年2月27日) 仙台市のマンションで、インフルエンザ治療薬タミフルを服用後に中学2年の男子生徒(14)が転落死したことについて、柳沢厚生労働相は27日の閣議後会見で「(タミフル服用と転落との)因果関係が明らかでないと責任ある対応を取ることはできない」と述べ、現段階で服用時の特別の注意喚起などは実施しない考えを示しました。 タミフルをめぐっては同様の例が2004年以降、数件報告されていることから、遺族らはタミフルによる副作用と主張しています。 同省研究班はタミフルと異常行動の関連性について患者1万人を対象に調査しており、今秋に結果をまとめる予定だそうです。
 更にタミフル安全性に懸念なし 転落死問題で柳沢厚労相(2007年3月2日) インフルエンザ治療薬タミフルを服用後に未成年者がマンションから転落死するケースが相次いだ問題で、柳沢厚生労働相は1日の衆院予算委員会で「専門家による検討や調査の結果によれば、タミフルの使用と精神、神経症状に起因するとみられる死亡との関係は否定的となっているので、現段階ではタミフルの安全性に重大な懸念があるとは考えていない」と述べました。 同省は先月28日、予防的措置として医療関係者向けに文書で注意喚起。タミフル処方の有無にかかわらず、インフルエンザに感染した場合は(1)異常行動の恐れがある(2)少なくとも2日間は小児や未成年者を1人にしない-の2点を患者や家族に説明するよう求めたそうです。
 1月20日発行の「薬のチェックは命のチェック」No25号で浜六郎氏は「タミフル脳症」は薬害だと決め付けています。この発言が時間の経過と共に真実味を増してくることでしょう。

追補 5 :  【2007年3月28日】 タミフル:9歳女児が異常行動、インフルエンザ無関係 服用の影響濃厚 
インフルエンザ治療薬「タミフル」服用後に家を飛び出そうとするなどの異常行動を起こした女児が、その後の検査で、インフルエンザではないとの結果が出たことが28日、分かりました。こうした患者が明らかになるのは初めてです。タミフル服用後の異常行動の原因はインフルエンザ脳症ではないかとの指摘がありますが、タミフルの影響を示す例として注目されそうです。女児を診療した都立八王子小児病院の久保田雅也医長(小児神経)が、タミフルの輸入販売元の中外製薬に報告しました。 女児は9歳だった昨年3月、近くの開業医を受診しました。39度の発熱で風邪と診断されましたが、家族の要望でタミフルや解熱剤などが処方されました。 その日の夜、女児はタミフルを服用した後に就寝したが、2、3時間後に目覚め、叫声をあげて家の外へ飛び出そうとしました。家族が体を押さえ、異常は5分ほどでおさまりました。 約1時間後に同小児病院を受診、久保田医長が診察したところ、意識は清明で、受け答えも正常でした。インフルエンザの迅速診断キットで検査しましたが、結果は陰性でした。さらに、のどの粘液と血液を採取し、東京都健康安全研究センターに検査を依頼しましたが、インフルエンザウイルスは検出されませんでした。 久保田医長によると、小児病院受診時の女児の体温は36・8度。異常行動から約1時間で熱が急に下がるとは考えにくく、原因が高熱だった可能性は薄いそうです。てんかん発作が原因とも考えられますが、1年後の今もてんかんの症状はなく、女児はてんかんではないとみられます。 このため、久保田医長は女児の異常行動は、タミフルの影響ではないかと指摘。一方で「タミフル発売前にインフルエンザで39度の熱を出し、2階から飛び降りた男子小学生も知っています。タミフルで起きる異常行動と、インフルエンザで起きる異常行動の両方があるのではないか。少なくとも、インフルエンザと診断されないのにタミフルを服用するのは避けてほしい」と話しています。 ◇重要性高い初事例----山本英彦・大阪赤十字病院救急部長(小児科)の話 この女児は、インフルエンザではなく、タミフルのために異常行動が起きた疑いが濃い例だと考える。タミフル服用後の異常行動で、インフルエンザウイルス不在との検査結果が出た例は初めてで、重要性は高い。 ◇タミフル影響疑い----加藤達夫・国立成育医療センター病院長の話 検査で陰性でも、実際にはウイルスがいた可能性は残る。一方、従来問題になっていた異常行動と年齢や異常の内容がよく似ており、検査結果の通りならタミフルの影響が疑われる例だ。タミフルの問題を考える上で貴重な例だと思うと述べておられます。

追補 6 :【2007年4月5日】  厚生労働省は4日、2001年2月のインフルエンザ治療薬「タミフル」発売から今年3月20日までに副作用が疑われるとして輸入販売元の中外製薬から同省に報告された約1000人の事例のうち、何らかの異常な行動を起こした患者が128人に上り、うち死者は8人だったとの集計結果を公表しました。 このうち約8割の100人が未成年で、10歳未満は43人。10歳未満の男児が包丁を持ち出したりベランダから飛び降りようとしたりしたケースや、10代の男子が突然うさぎ跳びを始めた例もありました。  厚労省は、因果関係の有無などを検討する薬事・食品衛生審議会の調査会にこれらの結果を報告。調査会は4日の会合で、10代への投与を原則中止する一方で10歳未満には、インフルエンザで死亡するリスクが高いため処方を認めるとする国の対応について、「当面継続することが妥当」と結論づけ、今後一つ一つの事例を詳しく分析することを決めました。 厚労省が異常な行動と判断したのは、中外製薬が「異常行動」と分類した事例に加え、報告書に「ベッドから起き上がった」「部屋の外に出た」などの記述があり、一歩間違えば大事故につながる恐れがあったとみられるケースです。 同省は当初、今年3月20日までに寄せられた副作用が疑われるケースを約1800件と発表したが、重複分を除いた1465件、1079人分についてまとめました。このうち服用後に死亡したのは55人で、異常行動以外の47人のうち9人が突然死でした。異常行動も含めた「精神、神経症状」は341人。 異常行動後に死亡した8人は10代が5人で成人が3人。10代の5人はマンションからの転落や国道に飛び出しトラックにはねられるなどして死亡。成人は車で外出し2カ月後に海中で発見(40代男性)、遺書を残して飛び降り(50代男性)、認知症の兆候があり呼吸悪化(90代男性)でした。 このほか3月21日以降も中外製薬からの報告が相次ぎ、3日までに新たに69人の異常行動の報告がありました。

追補 7 :タミフル問題  タミフル問題 インフルエンザ治療薬「タミフル」を服用した10代の転落事例が相次いだことを受け、厚生労働省は3月、従来「否定的」としてきたタミフルと異常行動との因果関係に関する見解を白紙に戻す方針を表明。これまで輸入販売元の中外製薬から「副作用が疑われる事例」として報告された約1800件を精査、重複を除いて1465件、1079人分について薬事・食品衛生審議会の安全対策調査会で再検討に乗り出しました。またタミフル服用の有無で異常行動の出現に差が出るかどうかについて、約1万人を対象とする疫学調査も進めています。

追補 8 : 
ワシントン2007年10月19日、米食品医薬品局(FDA)の小児医療に関する諮問委員会は19日、医師の処方なしに買える風邪薬やせき止め薬は、子どもへの効果が確認されていないとして、6歳未満の子どもに使うべきではないとFDAに勧告しました。
 FDAは薬の販売中止や表示の変更、効果確認のための臨床試験の実施などを製薬会社に求めるかどうか検討するそうです。米国では今月中旬、主要な製薬会社が「飲み過ぎにつながる恐れがある」との理由で、2歳未満の乳幼児向けの風邪薬14種類を自主的に回収していました。
 専門家22人からなる諮問委は、せき止めや去たん剤、抗ヒスタミン剤などを含み、風邪の症状を抑えるとされる一般的な市販薬について、6歳未満への効果を裏付ける研究成果はないと結論付けました。大人を対象にした研究からの推論しかなく、この年齢層は薬の副作用を最も受けやすいとの意見が出されました。
 FDAによると、この50年間で子どもを対象にした薬効の研究は11しかなく、効果を確認したものはないそうです。
 製薬会社側は、年間38億回も使われており、用法用量を守れば安全だとしています。

追補 9 :
【2007年10月25日】 タミフルによる異常行動?
 厚生労働省は24日、インフルエンザ治療薬タミフルと異常行動の関係を、動物実験など基礎研究を通じて検討する専門家作業部会を開き、製薬会社による一部の実験結果について議論しました。同省はこれを踏まえ「現時点では因果関係を示すような結果は出ていない」との見解を示しました。
 実験は製造元のロシュ社(スイス)などが実施。現在も継続中なため、厚労省は「今回のデータだけでは結論は得られていない」としています。
 実験は、血液中のタミフルが脳内に移行するかや、脳内で情動や行動などに関与する中枢神経系受容体に作用するかなどを調べます。これまでのところ、投与する濃度を上げても、中枢神経系に影響するような結果は出ていないそうです。
 タミフルについては動物実験のほか、臨床試験や疫学調査も行われています。厚労省はこれらの調査結果を総合的に踏まえ、因果関係について判断する方針です。
 
追補 10 : 【2008年12月22日】 今冬の流行はタミフル耐性 米国のインフルエンザ
 【ワシントン19日共同】米疾病対策センター(CDC)は19日、この冬に米国で流行が始まったインフルエンザの主流は、治療薬タミフルが極めて効きにくい耐性ウイルスであるとして、医師向けに注意喚起した。
 患者から分離されたウイルス50試料のうち、49(98%)で耐性が確認された。このウイルス型がどの程度広がるかは不明だが、タミフルを大量に使用している日本では特に警戒が必要になりそうだ。
 CDCによると、流行を始めたインフルエンザA型の「H1N1」と「H3N2」、同B型の計3種のウイルス型のうち、ハワイや米南部テキサス州などを中心に「H1N1」が最も多く、検査した試料中98%で耐性が確認された。 リレンザなどほかの治療薬の効果はあることから、H1N1の感染が疑われたら、リレンザか、タミフルと旧来の薬の併用を勧めている。対策に最も効果的なのは予防注射だとしている。
 CDCは「流行のほんの初期で、この冬に最も流行するウイルス型になるかどうかは、まだ分からない」としている。

追補 11 (2009年2月17日)   新型インフルエンザ治療薬は効かなくなる?
 服用原因か自然変化か 抵抗力持つ病原体が出現
 病原体を殺す薬ガ出来ても、そのうちに病原体が抵抗力を持って効かなくなることがある。これを「薬剤耐性」といいます。インフルエンザも例外ではありません。今冬のAソ連型の大半で、経口薬「タミフル」が効かない耐性ウイルスが世界中で見つかりました。
 インフルエンザウイルスが耐性を持つのは初めてではありません。05~06年シーズンにA香港型ウイルスの90%は、経口薬「アマンタジン」に耐性を持っているのが検出されました。これを受け、日本で使われる薬はタミフルが主流になりました。わが国は全世界の約75%を使用しているとされる「消費大国」ですが、この状態は耐性化が起きる原因を探る上で、重要な情報を提供していることになります。
 耐性化の原因には、(1)感染者が薬を服用したことでウイルスを刺激し変化する(2)服用と関係なく自然に変化する--の二つのことが考えられます。その両方もあるし、他にもあるかもしれません。ただ(1)だとすれば、タミフルの耐性ウイルスが最初に出現するのは日本と言われたが、実際には欧州でした。
 タミフルはインフルエンザウイルスの表面のたんぱく質「ノイラミニダーゼ(N)」に結合し、その働きを邪魔して、増殖を抑えるものです。耐性ウイルスはNを構成するアミノ酸「ヒスチジン」が「チロシン」に変化したためタミフルが結合できず効果が失われています。
 焦点は、新型インフルエンザがタミフル耐性を持つかどうかです。耐性を獲得したAソ連型(H1N1)のNと新型への変異が心配される強毒性鳥インフルエンザ(H5N1)のNが、何らかの理由で交雑し耐性ウイルスが出現する恐れがあるのです。河岡義裕・東大教授(ウイルス学)は「Nを標的にするのとは違う治療薬が必要だ」と話しています。

追補 12 (2009年4月20日) タミフル 異常行動「否定できず」 厚労省研究班 10代再開に影響
 タミフルの異常行動に関する検索結果がテレビと新聞とで報道されました。インフルエンザ治療薬タミフルを服薬した10歳以下の子どもは、服用しなかった子どもに比べ、飛び降りなどの深刻な異常行動をとるリスクが1.54倍高いという分析結果が18日、厚生労働省研究班(班長広田良夫・大阪市大教授)の最終報告書で明らかになりました。「タミフルとの因果関係は否定できず、深刻な異常行動に絞った新たな研究を実施すべきだ」と指摘しており、現在は原則中止している10歳代への使用再開は難しくなってきました。
 最終報告書は近く、厚労省薬事・食品衛生審議会安全対策協議会に報告されます。別の検証作業では「関連は見つからなかった」とする結論が出されており同調査会では10歳代への使用をいつ再開するかが最大の焦点でした。
 研究は2006年度からインフルエンザと診断された18歳未満の患者約1万人を集め、解析した。このうち、急に走り出すなどして死亡や怪我に結びついた深刻な異常行動に限定して調べたところ、服薬した場合、リスクが1.25倍高くなりました。特に注意喚起の対象となっている10歳以下の場合、リスクは1.54倍になりました。
 一方、うわごとを言うなど軽症のものも含めた異常行動を起こす全体のリスクは、飲まなかった場合に比べて0.62倍と低かったそうです。
・・・・・服薬リスクの検証必要・・・・タミフル服薬と異常行動との関連を指摘した厚生労働省研究班の最終報告書は、10歳代への使用再開の是非を検討してきた同省の結論に大きな影響を与えそうです。
 これまで別の研究班による動物実験や、規模に小さい研究ではいずれも「関連性は見つからなかった」と言う結論が出ていました。同省は今回の最終報告書の結論を待って、使用再開の時期を決める方針でした。
 今回の結果は分析した深刻な異常行動の症例数が少ないため、未だ確実なデータとは言えないそうです。ただ、リスクが指摘された以上、真剣に受け止め、リスクが本当にあるのかどうか、きちんと検証する必要があります。
 何しろ、子どもの生命にかかわる問題です。死亡した子どもや家族の思いに応えるためにも、拙速に結論を出すのではなく、誠実に科学データを積み重ね、慎重に議論していく姿勢が必要と思われます。

【転載元】
■おくすり千一夜 第二百二十四話:インフルエンザの予防薬が効かなかった!
http://www2.incl.ne.jp/~horikosi/No224.htm

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