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(CNN) イスラム教徒が一生に1度は果たす義務とされている聖地メッカへの巡礼(ハッジ)に、今年は約300万人が参加する見通しだが、巡礼者の間に新型インフルエンザ(H1N1型)の感染が拡大する恐れが指摘されている。
 巡礼を予定している在住の米国人夫妻は米ジョージア州のイスラム教徒向け施設で、インフルエンザのワクチン接種を受けたうえで手の消毒剤を持参し、こまめに手洗いをすると語った。同施設から巡礼に参加する人々を対象にレクチャーを開いている医師は、出発の最低7日前に接種を受けるよう促している。メッカが位置するサウジアラビアの政府は感染対策に取り組む方針だが、医師は巡礼者の多さがが問題だと指摘する。

 インフルエンザ対策とイスラム教の規定の間で混乱が発生する場合もある。巡礼者は縫い目があるものを身につけたり、アルコールに触れることを禁止されており、マスクやアルコール系消毒剤による感染対策と衝突する。医師は、イスラム法(シャリア)の基本原則の1つが健康の保護であり、それを最優先する場合は儀礼上の規則が二の次になると指摘し、巡礼者のマスクや消毒剤の使用に柔軟姿勢を示した。

 サウジ当局は巡礼希望者を拒まない方針であるものの、12歳未満の子どもや65歳以上の高齢者、妊娠中の女性の巡礼は遠慮するよう各国に呼びかけている。同国の保健相はワクチンに対する国民の恐怖感を低減するため、娘たちと一緒に接種を受ける様子をテレビで公開した。また、体表面温度を測定しするサーモグラフィ装置が、入国地点などに導入された。

 サウジの保健当局者は、同国政府が各国の専門家25人と国内の専門家25人に助言を求め、巡礼者の感染対策を検討したと語り、米疾病対策予防センター(CDC)の対応計画を参考にしたことを明らかにした。

 生物学的脅威についても調べている米団体「核脅威イニシアチブ」(NTI)の関係者は、「モスク1カ所に100万人が集結する状態が長く続くことは、巡礼者個人のみならず感染対策にとって真の試練だ」と指摘した。関係者によると、中東では7年前、感染症の監視を目的にヨルダンとイスラエル、パレスチナ自治政府の専門家や保健当局者らの連合が結成され、パンデミック対策の策定に着手した。この協力体制に基き、イスラエルからパレスチナ自治区の巡礼者向けに新型インフルエンザワクチンが供給されており、こうした信頼関係と国際協力体制が巡礼者の感染対策に極めて重要だという。


(※イスラエルからパレスチナ自治区へ・・・。こうした信頼関係・・・。何だこの記事は???)
元記事

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200911170023.html
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