【ソウル上田勇実】韓国の保険福祉家族省は３日、新型インフルエンザへの感染が予想以上のペースで拡大していることを受け、４段階の警戒水準からなる「国家伝染病災難段階」を「警戒」から最高レベルの「深刻」へ一段階引き上げると発表した。

　現在、韓国の感染者数は１日１万人近くに達し、死者は３日正午現在で計４２人。集団感染を防ぐため、個別の判断で一時休校にする学校も増えている。同省はこの日、「今後４～５週間がヤマ場」との見方を示した。

　政府は警戒水準引き上げに伴い、行政安全相を本部長とする中央災難安全対策本部と各地方自治体ごとの対策本部を４日から稼働させ、必要に応じて集会や行事を原則禁止にする行政措置に踏み切る考え。また、小中高生に対する予防接種も１～２週間前倒しされ、来月初めまでに終えるという。

　ただ、政府は死亡率が約０・０３％で既存のインフルエンザと同水準であり、抗ウイルス剤の投与も始まっていることから、過度な不安を抱かないよう国民に呼び掛けている。