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発信:Marion Koopmans
私たちは、ベーシックポリメラーゼ2(PB2)タンパク質に(E627K)突然変異を起こした インフルエンザパンデミックA(H1N1)2009ウイルスに感染したと診断された、オランダの 2人の患者について報告したい。この突然変異は以前から(インフルエンザウイルス遺伝子の)複写の効率を増大させることと、ほかのインフルエンザAウイルスで毒性の変化を起こすことに関連してきた。
調査はオランダ北部の特定の地理的な領域が、同じ遺伝的背景を持つウイルスが2009年の7月中旬から8月中旬にかけて循環してきた場所であることを見出した。PB2の突然変異が伝播した例は他に確認されていない。
私たちは、ベーシックポリメラーゼ2(PB2)タンパク質に(E627K)突然変異を起こした インフルエンザパンデミックA(H1N1)2009ウイルスに感染したと診断された、オランダの 2人の患者について報告したい。この突然変異は以前から(インフルエンザウイルス遺伝子の)複写の効率を増大させることと、ほかのインフルエンザAウイルスで毒性の変化を起こすことに関連してきた。
調査はオランダ北部の特定の地理的な領域が、同じ遺伝的背景を持つウイルスが2009年の7月中旬から8月中旬にかけて循環してきた場所であることを見出した。PB2の突然変異が伝播した例は他に確認されていない。
2009年9月15日、A(H1N1)ウイルスに感染した糖尿病患者からの臨床サンプルがroutine sequence analysis(遺伝子自動解析)され、PB2のポジション626(E626K)がグルタミン酸からリジンに突然変異を起こした最初のインフルエンザA(H1N1)ウイルスであることが確認された。
病気の第1日目は2009年8月9日だった。その日患者はオランダ(Waddenzee)北部の湿地帯にある西フリジア諸島の一つで休暇を過ごしていた。彼の病気は比較的穏やかな経過を辿った。
国のデータベースで地理的に関連したA(H1N1)ウイルスの症例を次々に時系列を追って調査したところ、オランダ国内でA(H1N1)ウイルスの症例がさらに24例確認されたが、彼らは7月から8月にかけて人気のある同じホリデー・アイランド(文字通り休暇を過ごすための島)に滞在していた。
協会で手に入れることが出来た24例中12例の臨床試料を遺伝子解析したところ、NA遺伝子とPB2遺伝子が特異な突然変異を起こしていた。指標となる糖尿病患者(9月15日の患者)から得られたウイルスと10例のA(H1N1)ウイルスが遺伝子クラスターを形成している(元の遺伝子から転写された)ことがわかった。そのうちの一つのウイルスだけがPB2のE627K突然変異を保持していた。
このウイルスは高熱と咳を発症して2009年7月20日(月曜日)に1週間滞在していた同じ島から帰宅した青年期の少女に接触した家族から分離された。この少女は2つのテントを共同で使っていた16人の少年と8人の少女のグループとキャンプをしていた。伝えられるところに拠れば、このグループのほとんど全員が病気になり、同じキャンプの別の2人がA(H1N1)ウイルスに感染していたことが確認された。
少女は1週間病気で、2週間後に完全に回復した。PB2の突然変異を持ち、ウイルスの排出を伴った2番目のケースは彼女の妹の症例で、2009年7月23日(木曜日)に発症した。彼女はオセルタミビルによる治療を受け1週間後に完全に回復した。両親はどちらも発症していない。
最初の発見から1月以上経過して2つの突然変異が確認されたが、接触調査はもうそれ以上
行われていない。市の保健サービスは地方の疾病対策について通知を受けている。2009年8月15日以降、オランダ国内の軽症のインフルエンザは届出義務が無くなった。そのため調査チームはそこから先にウイルスが伝播した可能性があったが情報を得られなかった。感染集団(たとえば学校のような)は(その島を含む)管轄地域の保健所からの報告はなく、国立内科早期発見ネットワークからの監視データもインフルエンザ様症例の活動が活発でないことを示している。
7月と8月にA(H1N1)インフルエンザで入院した22名の患者からのサンプルもPB2の突然変異を示していない。
PB2 627Kは一貫してヒトインフルエンザAウイルスから見つかっているが、鳥由来のインフルエンザウイルスからは滅多に見つかっていない。E627K突然変異は人の体内でウイルスの増殖効率を高める結果を起こすと考えられており、恐らくそれは宿主の体温への適合や細胞補因子に依拠し、以前から人に感染した高病原性H5N1やH7N7ウイルスによる死亡例と関連していることが示されてきた。
今日まで、インフルエンザパンデミック(H1N1)2009(57)のA(H1N1)ウイルスでPB2に関する報告はなく、我々の発見が臨床的、疫学的に関連しているかははっきりしないままである。
逆遺伝学(リバースジェネティックス)を使ったケナガイタチの予備実験から導かれた、PB2のE267Kに突然変異を起こした新型インフルエンザA(H1N1)ウイルスは、ウイルスの排出や毒性、伝達性の増加を示さなかった。状況を監視するために増加した分子の監視といった、更なる実験が進行中である。
署名:M Jonges 1, A Meijer 1, J van Steenbergen 2, T Oomen 2, H Vennema
1, J Spaargaren 3, Kampman 4, P van der Tas 5, R Ter Schegget 6, Wim van
der Hoek 7, J Tjie 8, R Benne 9, Sander Herfst 10, Salin Chutinimitkul 10,
Ab Osterhaus 10, Ron Fouchier 10, Marion Koopmans 1, 10.
所属:
1 National Institute for Public Health and the Environment, Centre for
Infectious Disease Control, PO Box 1, 3720 BA, Bilthoven, The Netherlands
2 Preparedness and response unit, Center for infectious disease control,
Bilthoven
3 Laboratory for Microbiology, Enschede
4 Municipal Health Service, Twente
5 Municipal Health Service, Friesland
6 Municipal health service, Brabant
7 Epidemiology and surveillance unit, Center for infectious disease
control, Bilthoven
8 Microbiological laboratory Veldhoven
9 Laboratory for infectious diseases, Groningen
10 Laboratory for Virology, ErasmusMC, Rotterdam
communicated by:
Marion Koopmans
Chief of Virology
Laboratory for Infectious Diseases and Screening, Center for Infectious
Disease Control
National Institute of Public Health
The Netherlands
<Marion.Koopmans@rivm.nl>
元記事
http://www.promedmail.org/pls/otn/f?p=2400:1001:325706459018917::NO::F2400_P1001_BACK_PAGE,F2400_P1001_PUB_MAIL_ID:1000,79432
病気の第1日目は2009年8月9日だった。その日患者はオランダ(Waddenzee)北部の湿地帯にある西フリジア諸島の一つで休暇を過ごしていた。彼の病気は比較的穏やかな経過を辿った。
国のデータベースで地理的に関連したA(H1N1)ウイルスの症例を次々に時系列を追って調査したところ、オランダ国内でA(H1N1)ウイルスの症例がさらに24例確認されたが、彼らは7月から8月にかけて人気のある同じホリデー・アイランド(文字通り休暇を過ごすための島)に滞在していた。
協会で手に入れることが出来た24例中12例の臨床試料を遺伝子解析したところ、NA遺伝子とPB2遺伝子が特異な突然変異を起こしていた。指標となる糖尿病患者(9月15日の患者)から得られたウイルスと10例のA(H1N1)ウイルスが遺伝子クラスターを形成している(元の遺伝子から転写された)ことがわかった。そのうちの一つのウイルスだけがPB2のE627K突然変異を保持していた。
このウイルスは高熱と咳を発症して2009年7月20日(月曜日)に1週間滞在していた同じ島から帰宅した青年期の少女に接触した家族から分離された。この少女は2つのテントを共同で使っていた16人の少年と8人の少女のグループとキャンプをしていた。伝えられるところに拠れば、このグループのほとんど全員が病気になり、同じキャンプの別の2人がA(H1N1)ウイルスに感染していたことが確認された。
少女は1週間病気で、2週間後に完全に回復した。PB2の突然変異を持ち、ウイルスの排出を伴った2番目のケースは彼女の妹の症例で、2009年7月23日(木曜日)に発症した。彼女はオセルタミビルによる治療を受け1週間後に完全に回復した。両親はどちらも発症していない。
最初の発見から1月以上経過して2つの突然変異が確認されたが、接触調査はもうそれ以上
行われていない。市の保健サービスは地方の疾病対策について通知を受けている。2009年8月15日以降、オランダ国内の軽症のインフルエンザは届出義務が無くなった。そのため調査チームはそこから先にウイルスが伝播した可能性があったが情報を得られなかった。感染集団(たとえば学校のような)は(その島を含む)管轄地域の保健所からの報告はなく、国立内科早期発見ネットワークからの監視データもインフルエンザ様症例の活動が活発でないことを示している。
7月と8月にA(H1N1)インフルエンザで入院した22名の患者からのサンプルもPB2の突然変異を示していない。
PB2 627Kは一貫してヒトインフルエンザAウイルスから見つかっているが、鳥由来のインフルエンザウイルスからは滅多に見つかっていない。E627K突然変異は人の体内でウイルスの増殖効率を高める結果を起こすと考えられており、恐らくそれは宿主の体温への適合や細胞補因子に依拠し、以前から人に感染した高病原性H5N1やH7N7ウイルスによる死亡例と関連していることが示されてきた。
今日まで、インフルエンザパンデミック(H1N1)2009(57)のA(H1N1)ウイルスでPB2に関する報告はなく、我々の発見が臨床的、疫学的に関連しているかははっきりしないままである。
逆遺伝学(リバースジェネティックス)を使ったケナガイタチの予備実験から導かれた、PB2のE267Kに突然変異を起こした新型インフルエンザA(H1N1)ウイルスは、ウイルスの排出や毒性、伝達性の増加を示さなかった。状況を監視するために増加した分子の監視といった、更なる実験が進行中である。
署名:M Jonges 1, A Meijer 1, J van Steenbergen 2, T Oomen 2, H Vennema
1, J Spaargaren 3, Kampman 4, P van der Tas 5, R Ter Schegget 6, Wim van
der Hoek 7, J Tjie 8, R Benne 9, Sander Herfst 10, Salin Chutinimitkul 10,
Ab Osterhaus 10, Ron Fouchier 10, Marion Koopmans 1, 10.
所属:
1 National Institute for Public Health and the Environment, Centre for
Infectious Disease Control, PO Box 1, 3720 BA, Bilthoven, The Netherlands
2 Preparedness and response unit, Center for infectious disease control,
Bilthoven
3 Laboratory for Microbiology, Enschede
4 Municipal Health Service, Twente
5 Municipal Health Service, Friesland
6 Municipal health service, Brabant
7 Epidemiology and surveillance unit, Center for infectious disease
control, Bilthoven
8 Microbiological laboratory Veldhoven
9 Laboratory for infectious diseases, Groningen
10 Laboratory for Virology, ErasmusMC, Rotterdam
communicated by:
Marion Koopmans
Chief of Virology
Laboratory for Infectious Diseases and Screening, Center for Infectious
Disease Control
National Institute of Public Health
The Netherlands
<Marion.Koopmans@rivm.nl>
元記事
http://www.promedmail.org/pls/otn/f?p=2400:1001:325706459018917::NO::F2400_P1001_BACK_PAGE,F2400_P1001_PUB_MAIL_ID:1000,79432
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