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(2009年10月22日14時48分  読売新聞)

 新型インフルエンザに対して、成人の多くはある程度の免疫を持つ可能性があることが分かってきた。
 データを分析すると、患者が増えているのは圧倒的に未成年。さらに新型用のワクチンの臨床試験では、1回の接種で成人の大半が十分な免疫を獲得できたことから、過去の季節性インフルエンザの免疫が、新型にもある程度働くという解釈で、厚生労働省のワクチンに関する専門家の意見交換会の見解がほぼ一致した。「ほとんどの人に免疫がない」とされてきた新型対策の見直しにつながる可能性がある。

 全国約5000の定点医療機関から報告されたインフルエンザ患者数は、ほとんどが新型になった6月末以降、10月11日までで計20万人余り。年齢層別では10~14歳が最も多く、未成年が85%。最新のデータでは新規患者の90%が未成年だった。大阪大の岸本忠三・元学長(免疫学)は、「子どもと大人の発症率の差は行動の違いだけで説明がつかない。過去に類似したウイルスに感染したことが影響している可能性が高い」と指摘する。

 20~50歳代の200人に行われた国産の新型用ワクチンの臨床試験では、1回の接種で78%が十分な免疫を獲得した。国立感染症研究所の田代真人・インフルエンザウイルス研究センター長は「1回の接種で効果が出るのは、過去の免疫が呼び覚まされたから。今回の新型は、過去に流行した季節性の『いとこ』か『はとこ』なのだろう」と話す。

 だからと言って、成人が新型に感染しないというわけではない。米国でも当初、10歳代で新型が流行したが、その後ほかの世代に感染は拡大し、最終的に入院患者の半数が18歳以上となった。

 感染研の安井良則主任研究官は「今は、集団生活を送っている子供が感染の中心だが、時間をかけて成人に感染が広がっていく。成人の方が感染すれば重症化する危険性が高く、十分な注意が必要」と強調している。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20091022-OYT1T00653.htm
 
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