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毎日新聞 2009年11月24日 12時41分
インフルエンザのワクチン接種政策に、影響を与え続けている報告書がある。「前橋リポート」と呼ばれる。前橋市医師会が1987年、「インフルエンザワクチン集団接種には、インフルエンザの流行を抑える力はない」と結論付けた。これをきっかけに、厚生省(当時)は集団接種を中止。新型インフルエンザのワクチン接種の検討でも、厚生労働省は「感染防止の効果は保証されていない」とし、重症化しやすい人を優先する接種順位を決めた。
一方、前橋リポートには、分析などへの批判が根強い。科学技術振興機構のチームは今月、新型インフルエンザのデータから、「ワクチンには感染拡大を抑える効果がある」と発表した。
感染防止の効果だけではなく、厚労省の新型ワクチンの検討会では、重症化低減の根拠も不十分と指摘された。効果が分からぬまま、多くの人が接種を望む事態は異様だ。新型ワクチンの接種が原則1回になり、希望の多い子どもへの前倒し接種が始まった今こそ、落ち着いてデータを集め、国民の判断基準を示してほしい。【永山悦子】
http://mainichi.jp/select/opinion/yuraku/news/20091124k0000e070070000c.html
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