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2009年12月15日
季節性インフルエンザの流行期を迎え、各地の医療機関が「新型の豚インフルエンザとの区別ができなくなる」と頭を悩ませている。簡易検査キットでは新型も季節性も同じ「A型」と出るため判別できず、すでに新型に感染した可能性のある人にまで、貴重な新型ワクチンの接種を勧めることになるからだ。
大阪府枚方市のくろせ小児科には連日、インフルエンザの疑いのある患者が30人ほど訪れる。検査キットを使って診察すると7割が陽性で、そのほとんどは「A型」。黒瀬裕史院長(57)は「これまでは『新型です』と患者さんに言えたが、今はそうも言えない」と困惑する。季節性インフルかもしれないからだ。
新型と確定するには患者の遺伝子検査をする必要があるが、施設が限られ、1回の検査に数万円かかることから大半の都道府県では行っていない。
新型に感染した患者は本来、今季の新型ワクチン接種は不要だ。この小児科でも11月上旬までは、A型と判断された人は新型とみなし、「今季のワクチン接種は必要ありません」と伝えてきた。
だが、国立感染症研究所が全国約500の医療機関を対象に実施している調査では、12月に入ると例年、季節性のウイルスが週100株前後検出され始め、流行期を迎える。今年初めてA型と判断された患者の場合は、新型か季節性かがわからないため、治療でインフルが完治した後に多くの医師は、念のため新型ワクチンの接種を勧めることになる。
ただ、ワクチンは慢性的に不足しており、大阪府の小児科の場合だと医療機関が要望した3割程度しか配られていない。
朝野和典・大阪大医学部教授(感染制御学)は「季節性の流行期にA型と判断された人に、新型ワクチンを接種すべきかどうかという問いには100%の正解はない。現場の医師が流行状況をタイムリーに把握できるよう、行政が情報を発信していく以外にない」と話している。(浅見和生)
http://www.asahi.com/kansai/sumai/news/OSK200912150067.html