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(2009年12月31日 読売新聞)
新型インフルエンザワクチン接種後の重い有害事象の報告率が、季節性より高く、死亡例でも厚生労働省の依頼した複数の専門家が「因果関係を否定できない」としたケースが5例あることがわかった。同省の検討会は「安全上、大きな問題はない」としているが、接種を考える際、個人の体調などをより慎重に判断するよう求める声が検討会のメンバーからも出ている。
厚労省の25日時点の集計では、現場からの有害事象(副作用かも知れない例)の報告は1899件。うち入院相当の重篤例(生存)は191件。その中で129件は因果関係の評価結果が公表され、うち81件は主治医が「関連あり」と報告、専門家も70件を「因果関係を否定できない」とした。
死亡例は103件で、うち55件は専門家による評価が公表された。結果を分類すると、関連が低いという判断が36件と多いが、複数の専門家が「因果関係を否定できない」としたのが5件、1人が「否定できない」としたのが6件あり、8件は全員が評価不能とした。
過去5年間(2004~08年度)の季節性ワクチンの重篤・死亡例の報告は、因果関係を問わずに集計して平均113件で、接種者100万人あたり3・06件だった。新型の接種をすでに受けた人数は例年の半分程度。厚労省は「積極的な報告によって率が上がっているのではないか」としてきたが、因果関係が否定できないとされたものに絞っても8・15件と高い。季節性の場合、死亡報告は5年間に18件で、専門家が因果関係を否定できないとしたのは1件だけだった。
死亡例は、持病のある高齢者が多い。
評価を担当している久保惠嗣・信州大副学長は「寝たきりの高齢者は感染機会が少ないので積極的に打たなくていいのでは。接種が持病悪化につながる可能性がゼロではない」とする。
森兼啓太・山形大准教授は「ワクチン接種が体の弱い人に“最後の一押し”になる可能性は否定できない。効果と副反応の可能性を考え、打たなくてもいい人を見極めることが重要だ」と話している。
http://osaka.yomiuri.co.jp/tokusyu/influenza/20091231-OYO8T00250.htm?from=tokusyu